大阪・谷町のThe 14th. MOON他で開催された上田バロン個展「EYES」を観に行きました。
最終日に開催されたギャラリートークでのお話が胸に刺さりました。
上田バロン個展「EYES」
2019年1月25日から2月1日まで、大阪・谷町のThe 14th. MOON/MANIFESTO GALLERY/GALERIE CENTENNIAL の3ギャラリーで開催された、上田バロン個展「EYES」。
上田バロン初作品集の出版記念展として開催された個展の最終日にお邪魔しました。
イラスト界では超ビッグネームの上田バロン(@BARON_UEDA)さん。
昨年2018年末の柿間久留乃プロダクションイベント「1本3桁!イラストレーター界の皇帝 上田バロン降臨!〜セルフブランディングの宴~」で初めてお目にかかり、お仕事についての興味深いお話を聞かせていただきました。
かわいいキャラクターのイラストから、逆にすごい描き込みの多い躍動感のあるイラストまで、いろんなタイプの作品があるけれど、どの作品にも「上田バロン」らしさがある。
だからこそさまざまなクライアントに求められているのだろう。
印刷技術を駆使した作品や金箔を使った作品など、実際にモノとなってそこに存在する作品は、画集だけでは感じられない強さがあった。
表現を追求するからこそ、インクでの印刷にとどまらない表現のアイデアが生まれるのだろう。
会場を移ると、バロンさんが在廊されていました。
画集をその場で購入して、サインいただきました!
ギャラリートーク
ひと通り作品を観終わったタイミングで、イラストの専門学校生を招いたギャラリートークが始まりました。
事前にSNSで、僕が来訪する前の時間帯でギャラリートークをやるという話を見ていたので、それに間に合わず残念と思っていたのですが、予想外の追加開催。
特に学生さん限定というわけでもなかったので、学生さんたちに紛れさせてもらって参加しました。
学生さんの質問のレベルが高い。
紛れさせてもらってる身なのでさすがに質問はできませんでしたが、でも学生さんの質問が、ちょうど僕の訊きたかったこととリンクしていた。
特に印象深かったのが、次の2つの話。
下描きをIllustratorでなぞるか?
下描きについては、結論としては「なぞらない」で、下描きを横に置いてIllustratorで直で描いていくそうだ。
僕自身、いつも下描きをしっかり描いてから、それをなぞってIllustratorで描くときに、ふと我に返ると
「これって描くというより完全な『作業』だなー」
と思いながらやっているところがあった。
描く楽しさを保ちながら制作を進めていくにはその方がいいと思う。
そのためには下描きに頼らなくても大丈夫な画力が求められるので、すぐにというのは難しいかもしれないけど、描く楽しさを失わないための方法は試行錯誤していきたい。
自己肯定感について
自己肯定感、自分の作品に対する自信。
絵のトレンドに乗っていけばその時はそれなりに仕事はあるかもしれないが、流行りは変わるもので、それに乗っていると自分の軸がなくなる。
これが自分のイラスト、これが自分の作品という確固たる軸があれば、流行りに流されないで自分の絵で売っていける。
受け入れられるのには時間がかかるかもしれないけど、発信し続けることが大事。
自分の作品を信じて描き続けたからこそ、上田バロンという唯一無二のブランドを築くことができたのだろう。
自分自身、ここしばらくずっと自分の描きたい絵について迷いながらやっていたけど、これでちょっと吹っ切れた気がする。
自分の絵をもっと信じてみようと思った。
実り多い時間でした
作品を間近で観られるだけでも貴重な機会だけど、ギャラリートークも聞けてとても実りある時間でした。
前回のイベントでもいろいろお話を聞けたのですが、今回は会場が小さく距離が近かったぶん、より熱量の高いお話が聞けたのではないかと思います。