大阪・あべのハルカスの大阪芸術大学スカイキャンパスで開催の、窪之内英策展「絵空ゴト」。
6月1日に開催されたライブドローイングイベントに行ってきました。
窪之内英策展「絵空ゴト」
漫画家・窪之内英策氏の個展「絵空ゴト」。
開催を、というか開催中であるのを知ったのは会期も真ん中くらいになってからのこと。
サイトを見ると、6月1日にライブドローイングイベントがあると知るも、展示とは別であるイベントチケットはすでにSOLD OUT。
しかし追加販売があるというので、発売日の0時にローチケのサイトに張り付いて、無事13:00〜の回をゲットしたのでした。
会場は、あべのハルカス24Fにある大阪芸術大学スカイキャンパス。

展示
会場はそれほど広くないものの、ウォール一面に膨大な数の作品。
会場内は一部を除き撮影可だったけど、どれも凄すぎて撮るのを忘れる。
逆に何を撮ればいいのか、いいと思うものを撮ろうとすると全部撮らなければいけない。
それよりも直に、近くで観ていたいと思った。
展示を観始めたのが11:30ごろだったが、1時間くらいで回れると思っていたけど、全然そんなことなかった。
ずっと見入ってしまうので、半分くらいしか観られないうちにイベントの集合時間になってしまった。
イベント終了後も再入場できると言われていたので続きは後にすることに。
ライブドローイングイベント
整理番号21番、座席は指定なしだったので、最前列の、ドローイングする机にいちばん近いところに座った。
手元を映し出すプロジェクターの画面からはちょっとだけ離れていたけど、描かれるときの動きも感じたいと思ったのでベストの位置どり。
魔法の水(笑)を片手に、英策先生の登場。
初めてお目にかかる先生は、やんちゃな感じのイケメンのおじさんでした。
(撮影・録画禁止だったので、以下記憶を頼りに書いていきます。)
描き方は、まず頭骨を含めた輪郭を描き、次に目の位置に横のラインを引いて位置決め。
目をわりとしっかり描いて、次は口。
目と口が決まれば、もう命が吹き込まれた感じ。
そこから胸を除いた身体のラインを決める。
その後で腕や胸を描く。
印象に残ったのが、一度描いた輪郭は絶対ではないので、それに引っ張られないようにちゃんと消して描き直す、ということ。
一発目に描いた線が正しいなんてことはないので、それに縛られないで、何回も描いて消してを繰り返して、求める形をしっかり作っていけばいい。
もう一つ印象に残ったのが、「科(シナ)を作る」という言葉。
作品集「ラクガキノート」の中で、「異性を意識した色っぽくなまめかしい所作、仕草」と説明されています。
ただ突っ立っているポーズより、ちょっと肩を入れるだけで一気に色っぽい魅力的な絵になる。
ライブドローイングの中でも、一本ラインの動きを変えるだけで一気に色っぽさが増す様が見られた。
続いて髪。
何度も言われていたのが、「髪にドラマを作る」ということ。
先に描いた頭骨のどこから髪が下りて、どこへ流れるかを、重力のことも含めしっかり考えてその流れ(ドラマ)を意識して描いていけば、動きやリアリティのある髪を描ける。
ここまでくればもう完全に窪之内英策ワールドの絵。
服を描いて、細部を調整して完成。
説明しながら描いて、制作時間はともに30分ちょっとだっただろうか。
それでもう、隣の展示会場に展示してあるのとなんら遜色ない女の子ができあがっていた。
会場からは歓声とため息が上がっていた。
事前に「この中で絵を描く人は?」と訊かれたこともあってか、描く人の立場に立った説明がとても分かり易かった。
よく描ける人というのは、感覚ではなくプロセスがちゃんと言語化されていて、それゆえきちんと他人に説明もできるんだろう。
2時間のライブドローイングで描かれたのは計2点。
個人的には2点目が好きだった。
最後にお客さんにプレゼントされたのでもう見られないのが残念。
もらった人SNSにアップしないかな。
最高の体験でした
イベント後は展示会場に再入場して、まだ見ていなかった展示を見る。
ライブドローイングを見た後だと、ああやって描いているんだという目で見て、また違って見える。
先に展示を全部見てからイベントを見ようと思っていたけど、間にライブドローイングイベントを挟んだ形になったので、ドローイングを見る前と見た後のどちらの見方も体験できて結果としてはよかった。
作品集「ラクガキノート」とクリアファイル、ガチャの缶バッジをお土産に購入。
なによりライブドローイングを見られたのは最高の体験だった。
絵柄は違えど、絵を描く上での考え方を見聞きできるのはたいへん勉強になる。
自分の絵に活かせる部分を積極的に取り入れて、進化させていきたい。